イチローの例のポーズは何の為? メンタルトレーニングについて

イチローの例のポーズは何の為? メンタルトレーニングについて

イチロー選手はバッターボックスに入り、バットを構える前に必ず例の「袖まくり&バットかざし」をします。さて、一体、なんであんな事をやるのだろう、と考えた事はありますか? 実はあれには深い理由があるのです。そして、その理由はイチロー選手だけでなく、あなたにも通じる物でもあるのです。あなたが少しでも良い人生を送ろうと思うのなら、覚えて置いて損は無い。今回はそんな話題です。

物凄く恐い状況

あなたが野球選手だとして決勝大会の最終8回裏の攻撃、点差は1-0で負け。2アウト、ランナー2、3塁という状況で、あなたに打順がまわってきたと想像してみて下さい。あなたは最後のバッターです。あなたがヒットを打てばチームは優勝、アウトならチームは負けです。チームメイトも大勢の観客も固唾を呑んで、あなたを見ています。そんな状況を想像してみて下さい。勘弁してくれ、と言いたくなる人も多いでしょう。実際に野球選手をした経験のある人でも「それは最悪の状況だ」という人も多いはずです。もの凄く恐い状況だと言う事は理解できると思います。しかし、一体、何が恐いのでしょうか? 

それは「失敗する事」が恐いのです。それが恐くて体が緊張して思うように動かなくなり、その結果は、何も出来ずに3球見送りでアウトか内野フライでアウトです。なぜならキャッチャーに「こいつガチガチに緊張してるな」という事を読まれてしまい「ならば何も出来まい」と思われ「真ん中ちょい上ストレートでストライク」とサインを出されてしまうだろうからです。緊張しすぎてバットも振れなければ3球見送り。何とかバットを振ってもボールの芯には当たらず下を打たされ内野フライでアウトです。

大勢の人が注目する中で何かをしなければならない、或いは、やった経験がなく自分に出来るかどうか分からないのに、それをやらなくてはいけない。もしミスをしたら大変な事になってしまう、けれど、それをやらなければいけない。そんな状況に置かれたら、誰でも緊張します。実際に国体出場者の統計では初参加の人達はほぼ80%の人達が一回戦敗退です。その原因は「緊張して実力が全然出せなかった」からなのです。では緊張しない方法というのは何か無い物でしょうか?

場慣れすれば大丈夫?

多くの人は「場慣れするしか無い」と考えます。しかし本当にそうでしょうか?

実際に大舞台に立った経験のある人達は口を揃えて言います。「緊張に慣れるという事は無い。決定的な場面で緊張しない人などいない」この言葉を裏付ける実例は沢山あります。

1988年、ゴルフのビッグタイトル「日本オープン」が東京ゴルフ倶楽部で行われた時の事です。この頃は青木功、尾崎将司、中島常幸の全盛時代で、この大会でも中島常幸がトップで最終日を迎えました。しかし中島は16番でダブルボギーを叩きAONの三人が首位に並びました。17番で尾崎が10mのパットを決めてバーディを取り一歩リード。そして迎えた最終ホールは青木、中島ともパーで終了。最後に残ったのは70cmのパーパットを残した尾崎でした。このパットを入れたら優勝、外したらリプレイです。

尾崎将司といえばそれまでにも賞金王を3回も取り、この年も賞金王トップを走っているトッププレイヤーです。これまでにも沢山のビッグタイトルを勝ち取ってきた経験の持ち主でもあります。その「場慣れしているはず」の尾崎将司が70cmのパーパットを構えます。そして数秒、尾崎は一度、構えを外します。観客から、どよめきが湧きました。一呼吸入れてから再度、パーパットを構えます。そして数秒、またも尾崎は構えを外します。観客からは更に大きな、どよめきが湧きました。ふーっと大きく溜息をついて、キャディと一言、交わし三回目の構えに入ります。そして、打ったボールはコロンという音とともにホールの中へ。見ている人にも凄い緊張感が伝わってくる場面でした。そして試合後のインタビューで尾崎は18番ホールのパットについて「緊張で手が動かなかった」と答えています。

ではどうすれば良いのか?

スポーツの世界では長年、「本番で、いかにして緊張を取るか」が重要な問題となっていました。大抵の選手は本番では練習で見せる実力の半分くらいしか出せないからです。それらは全て「緊張」によって起こる物なので、それを取り除くための研究が先進国で始まりました。そして生み出されたのが「メンタルトレーニング」という物です。

しかし日本のアマチュアスポーツ指導者でメンタルトレーニングを教えてくれる人は非常に少なく、それは現在でも変わりません。メンタルトレーニングの為の本も出されているのですが、多くのスポーツ愛好家は、そういった本を読むのをいやがります。何故なら面倒だからです。しかしプロとなると、そんな事は言っていられません。事実、プロを目指すアスリートにとって結果を残す為にはメンタルトレーニングは絶対に心得ておかなければならない物なのです。そして、それは少し練習すれば出来るようになる物なのです。

メンタルトレーニングという言葉から「心を鍛える方法」と思ってしまう人が多いのですが、心を鍛える事など出来ません。メンタルトレーニングというのは「心身から緊張を取りリラックスする為の方法」なのです。ですので、これを心得ていれば、もう緊張するような場面でも大丈夫です。メンタルトレーニングが教えてくれる緊張を取る方法はいくつかあるのですが、イチロー選手の「袖まくり&バットかざし」は最も良く使われる方法の1つで

「儀式法」と呼ばれる物です。

儀式法

儀式法とは実際のプレイに入る前に「必ず一定の動作を行う」という方法です。これは普段の練習でも必ず行うようにします。プロスポーツでは別名ルーティンと呼ばれる事も多く「ルーティン」と言えば通じる事も多いです。この「一定の動作」の内容は何でも構いません。但し、一度決めたら練習でも必ず実行し体に覚えさせます。

これが何故、緊張を取る効果があるのか、というと緊張する場面においても「一定の動作」を行う事によって自分自身に「いつもと同じなんだよ」と悟らせる事ができるからなのです。つまり儀式を行う事によって「安心」が得られるのです。

ではイチロー選手のルーティンをご紹介しましょう。

  1. バッターボックスに入る前に一回素振りをする。
  2. 素振りが終わったら屈伸を一回
  3. 左手でヘルメットを直す
  4. 右手のバットで右のシューズを一回、叩く
  5. ついで左のシューズも一回、叩く
  6. バッターボックスに入ったら左足で砂を2回、前の方に蹴る
  7. 左手をあごに付けバットを縦に構える
  8. バットをバットの重さだけで下から回して両手で掴む
  9. 左手をバットから離し、もう一回バットの重さだけで回して一回転させ縦に構える。左手を額にあてる
  10. 左手で右腕の袖まくりをする
  11. 僅かに深呼吸して膝を少し曲げ膝を脱力、同時に背中の三角筋と腕の付け根の筋肉も脱力し頭を定位置にして体のバランスを取る
  12. 両手でバットを持って構える(ルーティン終了)

2球目以降は時間がある時は6から。時間が無い時は7から行う。

よーく見ていると分かりますが、必ずこのルーティンを行っています。これを毎回、必ず行う事により緊張を解き心と体をリラックスさせているのです。

なんと沢山の動作をしている事か、と思われるかも知れませんが、この動作内容は上級者になればなるほど多くなる傾向があるのです。なぜならルーティンの内容をは多ければ多いほど効果が高くなってくるからです。ですが、最初から沢山の内容を盛り込んでしまうと大変すぎるので、最初は3つから4つ位の動作を「儀式」として毎回行うようにします。これを長年、続けていると「儀式の中の動作」は自然に増えていくのです。

呼吸法

イチロー選手のルーティンの11は呼吸法と呼ばれる物で、これも取り入れている選手が多い方法です。呼吸法は、まず鼻から息を吸って、一瞬止め、口から吸った息を「ふーっ」とゆっくり吐き出すという動作です。この動作で肝心なのは口から息を吐き出す時に、同時に筋肉も脱力させる事です。脱力させる筋肉は膝、背中の三角筋、腕の付け根周りの3箇所で、必ずこの順番で脱力させます。これには理由があって、体の筋肉というのは繋がっており最初に膝を脱力させないと背中の三角筋はちゃんと脱力できないのです。そして腕周りは三角筋が脱力していないと脱力できないからなのです。呼吸法は大きく深呼吸するように行う人もいますし、イチロー選手のように最低限の動きで小さく済ませる人もいます。

この呼吸法だけでも、しっかりマスターして脱力できるようになれば十分に効果があるので、簡単なルーティンと呼吸法だけで済ませる人も結構います。「明日、大勢の前でスピーチをしなきゃ」という場合には、スピーチ直前に、この呼吸法と次に述べる凝視法を行えば大丈夫です。

凝視法

まず、近くにある特定の場所(例えば目の前のバットのマークや袖のボタン)を3秒間、じっと見つめて、それから目標に目を移すという方法です。やってみると分かりますが、じっと見つめる事により雑念が払え、集中力を高める効果があるのです。

条件反射法

これは少し変わった方法ですが、場合によっては非常に効果のある方法です。有名な「パブロフの犬」と同じで「何かが発生したら、いつもの自分を取り戻してリラックスできる」という自己暗示をかける方法です。某野球漫画では「サードランナー」を条件にしており、サードランナーがいる時はそのランナーをじっと見つめる事により「いつもの自分を取り戻せる」という自己暗示を全員が共有しておくのです。野球で守備についている時、サードランナーがいるのは「恐い状況」であり「緊張が起こりやすい状況」です。ですので、あえてその状況を条件にして「緊張を取りリラックスさせ、いつもの自分を取り戻す」という反射を起こさせる方法で、条件反射法の最適な使用の仕方と言えます。この方法は案外に手軽に出来る方法でもあり「何かをするとリラックスできる」という条件付けをしておくと、それさえすれば良く日常生活でも取り入れやすい方法の1つです。

心と体は一体である、と良く言われますが確かに心が緊張すると自然に肩に力が入ります。逆に言うと肩の力を抜けば心の緊張もほぐれるのです。メンタルトレーニングはいかにして、心と体をリラックスさせるか、という方法を述べた物で決してスポーツをする人だけに有効な物ではありません。普段の生活でも「いつのまにか肩に力が入っている」方は多いと思います。その状態では仕事の効率も上がりませんし、正確な判断も鈍りがちになってしまいストレスを貯める原因ともなります。これらのメンタルトレーニングを知っているのと知らないのとでは大きな違いが出てくるのです。リラックスする方法を心得ておいて損はありません。

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