知ると面白い 麻薬の話

知ると面白い 麻薬の話

多くの薬剤は効果とうらはらに副作用が伴う物で毒物も一定量までなら薬理効果があり、一定量以上を超えると危険というのは、よく有る事です。実際、麻薬に指定されているモルヒネは現在でも世界各国で鎮痛剤として医療で使われていますし、米国の一部の州では大麻を鎮痛剤として医療に使う事も行われています。日本人は「麻薬=怖い物」というイメージが染みついているため海外旅行に行っても、まずマリファナやコカインには手を出しません。また、こういった麻薬類について正確な情報を知らされる事も多くありません。そこで今回は麻薬について種類別に詳しい説明をしてみたいと思います。

そもそも麻薬かそうでないかは、どうやって決まったのか?

1961年に「麻薬に関する単一条約」という世界条約が制定されました。この時は世界各国の代表者が集まり何が麻薬で何がそうでないかを議論し採決して「これは麻薬である」と規定したのです。それ以前に万国阿片条約というのが有りアヘン、モルヒネ、ヘロインの扱いについて決まりを作ったのが、その先駆けです。この条約で指定された物は「麻薬」として扱われ生産、取引販売、輸出入に強い規制がかけられますがアヘン類(モルヒネ、ヘロインも含む)コカイン、大麻の3種類が結果として指定されました。大麻を含めるかどうかについては激論が交わされ採決された結果、賛成と反対が同数に近く、僅かに賛成が多かったので大麻は麻薬という扱いを受ける事になったのです。なぜ激論が交わされたかというと大麻はアヘン、コカインほどの依存性が無く、むしろ医療用として役に立っていたからなのですが1960年代というのは米国でヒッピー文化が芽生え、一般庶民の顰蹙を買っていた時代でした。そしてヒッピー文化の象徴とされた物がマリファナだったのです。ですので、米国では映画やTVでマリファナは危険な物だ、という宣伝が大量に流されました。そういったイメージ効果がこの会議にも影響を与えたのかもしれません。現在では、これに覚せい剤が加わり、大きく分けると麻薬は「アヘン類」「コカイン」「大麻」「覚せい剤」という4種類になります。では順番に特徴を見てみましょう。

アヘン類の麻薬

ケシの実に傷をつけておくと、そこから白い液体が流れてきます。これがアヘンの原料で、この液体はしばらくすると黒くなります。これをかき集めたのがアヘンでアヘンには麻薬成分となるモルヒネが10%含まれており、これだけで十分に麻薬効果があります。これを精製しモルヒネ成分だけにした物がモルヒネで、さらに生成しオピオイドという成分を高めた物がヘロインです。アヘン類麻薬はモルヒネ成分を5cc以上、接種すると依存性が芽生えますので、鎮痛剤として医療用に使う場合はそれ以下に抑えるのが基本です。末期がんの激痛、戦場で重症をおったなどの強烈な痛みを抑えてくれる効果があるので、モルヒネは世界中で医療用に使用されています。なお米国にはフェンタニールというヘロインより強い鎮痛薬も有り医療用として使われています。アヘン類の麻薬はケシの実の汁を取るという面倒な作業から始まるので、そもそも生産量が多くありません。ですので、麻薬として裏取引されるモルヒネやヘロインはえらく高額で1gで5万から10万円もしますので一般庶民に簡単に買えるような物ではありません。モルヒネやヘロインは有名ですが一般人には普及していない麻薬なのです。アヘン類の麻薬は摂取すると大きな多幸感が得られます。その愉悦感は一度、覚えたらやみつきになるのも当然な位だそうです。しかし切れると痛烈な身体的苦痛がやってきます。「風に吹かれるのも痛い」と表現されています。しかしタバコやアルコール中毒のような精神的な依存性は、それほど高くないのが特徴で身体的苦痛が禁断症状のメインです。アヘン類中毒患者の場合、同じオピオイド系鎮痛薬のメタドンなど依存性の少ない代替薬が存在しますので身体的苦痛をメタドン等で抑えながら心理的依存を取り除けば中毒から解放されます。身体的苦痛に襲われている時は「死ぬほど苦しい」けれど、そこを脱してしまえば、もう大丈夫という訳です。アヘン類の麻薬は体に大きな後遺症をもたらしたりもしませんので麻薬中毒の中では「比較的、治療しやすい麻薬」なのです。

コカイン

主に南米に生えているコカの木の葉っぱにはコカインが含まれています。コカインは局所麻酔の効果があるのでケガをした時にコカの葉を揉んで痛い所に張り付けると痛みが和らぎますし高山病もコカの葉を噛んでいると効果がある、とよく言われます。このコカの葉からコカイン成分を抽出したのがコカインです。コカインはアヘンと違い栽培、収穫が楽ですので大量生産が可能です。ですので、米国にも沢山、密輸入され問題になっている訳です。一般的には南米の現地でコカの葉を煮てコカインを抽出し固めたコカペーストの形で密輸され、米国内でそれを粉末にして20%位の混ぜ物を加えて裏取引されているそうですが1gあたり2万円位で決して安くはありませんが手が届かない金額ではありません。ですので、米国で最も蔓延しているのがコカインなのです。コカインも接種すると多幸感が得られますが比較的、早く去ってしまいます。すると、またすぐに欲しくなるのです。コカインは身体的には大きな禁断症状は出ず、タバコのような精神的依存性が非常に強いのが特徴です。また得られる多幸感は接種するたびに薄く短くなっていくので段々と一回に接種する量が増えていきます。しかし身体内部では脳神経にダメージを少しずつ与え常用すると、もはや回復不可能な脳機能障害を起こします。特に理性を司る前頭前野にダメージを与える事が多く、その結果、理性が働かなくなってしまうのです。こうなったら、もう手が付けられません。「コカインのためなら何でもやる」という人間になってしまうのです。ここまで来ると、もう治療の方法はありません。

大麻

大麻は雑草のような草で、いくら取っても、またすぐに生えて来る物凄く生命力の強い草です。その草の葉と花にはカンナビノイドと総称される大麻特有の各種成分が含まれており、これを接種すると、僅かに多幸感が得られます。一般的に大麻の依存性はコーヒーと同じ位と言われます。つまり無ければ無いで我慢できてしまうレベルであるそうです。値段も安く1gで1000円位だそうですが、一回に吸う大麻の量は円柱形にしてみると直径が1mm、長さが1cm位の量でタバコで言えば2服位の量で0.5g程度との事です。鈍感な方の場合、タバコに大麻を混ぜて吸わせても気づかない事もあるそうです。そんな大麻ですが、常用していると、およそ10万人に1人程度の確率で精神障害を起こします。これが大麻が麻薬に指定された根拠なのです。通常の薬剤では100万人に1人程度の副作用なら第三臨床試験を通過できます。ですが10万人に1人では「少し多すぎる」のです。しかし大麻の薬理効果、特に鎮痛薬としての効果はモルヒネより強く、たった2服吸うだけで痛みが取れてしまうそうです。痛みの中にはモルヒネでもフェンタニールでも抑えきれない強い物があるのですが大麻はそれすらも鎮痛できるのだそうです。カンナビノイドには70数種類の成分が含まれており、それらの中には吐き気や嘔吐への治療効果、また、喘息および緑内障の治療、抗うつ薬、食欲刺激薬、抗痙攣薬および鎮けい薬としての効果が認証され薬品化された物も既に存在します。

覚せい剤

戦時中に「労働薬」(これを飲むと長時間労働が苦でなくなる)として労働者に飲ませたり特攻隊の隊員は出撃時に必ず、これを飲んでいったそうです。戦後はヒロポンの名前で流通していた日本では古くから馴染みの深い麻薬です。メタンフェタミンと言う成分が機能するのですが、これが脳内物質のドーパミンを大量に出させ快感が得られるのです。また不眠効果もあり、覚せい剤を飲めば2~3日、寝なくても全然、平気だそうです。覚せい剤がタクシー運転手、長距離トラックの運転手などに愛用されるのは、こういった長時間勤務にも耐えられる効果があるからとの事。しかしドーパミンの過剰供給は慢性の幻覚妄想状態を引き起こし、薬が切れた時には極端な意欲低下を引き起こします。よく覚せい剤常用者が通リ魔になる事がありますが、それは慢性の幻覚妄想状態の時で、自分に危害を及ぼす悪夢を排除しようとして起こる物だとの事です。覚せい剤中毒の治療は遮断療法しかないのですが精神的依存が強くタバコの30倍以上の精神的依存性があるので完全に治る事は少ないそうです。

最後に

麻薬といっても色々な種類があります。大麻については現在も各国で危険性、安全性、有効性の研究が続けられており麻薬の枠から外される可能性も十分にあります。しかし他の麻薬は「手を出したら終わり」です。世界一の大金持ちだったハワード・ヒューズは飛行機事故でモルヒネを打たれ中毒になり、すぐにヘロイン中毒になりました。しかしいくらでもお金が有るので終生、ヘロインを打ち続けた結果、異常な妄想を抱く変人として人生の後半を過ごしました。それが幸せな人生だとは絶対に言えないでしょう。例え無限にお金があっても「麻薬に手を出したら人生は終わり」なのです。

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