コンテンツマーケティング完全ガイド

コンテンツマーケティング完全ガイド
目次

はじめに:コンテンツマーケティングの開始にあたって

コンテンツマーケティングの概要とその重要性
コンテンツマーケティングとは、見込み客や顧客を惹き付け、獲得し、エンゲージメントを築くために、関連性が高く有益なコンテンツを作成するプロセスのことです。コンテンツには様々な形式がありますが、収益につながる顧客行動を促そうとするものだけが、コンテンツマーケティングとみなされます。
効果的なコンテンツマーケティング戦略を設計できれば、情報が氾濫する市場でブランドを突出させ、顧客の注目を集め、エンゲージメントを高めることができます。さらに、認知獲得から購入、推奨に至るすべての段階で、オーディエンスに一貫した体験を提供できるようにもなります。

コンテンツマーケティングのメリット

コンテンツマーケティングが企業にとって重要な理由
1.作成したコンテンツに潜在顧客が触れることで、ブランド認知の確立につながる。
2.コンテンツが有益な教育リソースとして既存顧客に価値をもたらす強力な手段となり、自社が専門知識の宝庫であるという位置づけを確立できる。
3.コンテンツを通して、より多くの購買担当者および顧客に低コストでアピールでき、あらゆるタッチポイントで成功を測定できる。

魅力的なコンテンツ作成のための主なヒント

1.オーディエンスの実際の要望やニーズをより的確に把握して対応できるよう、バイヤーペルソナの作成から始める。
2.購買プロセスの各ステージに1対1で対応するコンテンツを作成することで、バイヤージャーニーのスムーズな進行を促す。
3.連続するストーリーを展開しながら、公開する各コンテンツによってそのストーリーを進展させていく。
4.webサイト、メール、ソーシャルメディアなど、使用チャネルに適したコンテンツを作成する。
5.各コンテンツに、オーディエンスに対しての明確な目的とCTAを持たせる。
6.コンテンツの効果測定に用いる指標を事前に定めておく。
7.コンテンツ作成にあたっては効率性と質のバランスをとりながら進める。

販売は二の次、まずは情報の提供から

コンテンツを作るにあたっては、売り込みをかけるのではなく、お客様の助けになる、役に立つと感じてもらえることを意識しましょう。対価を払ってでも欲しいと思うような有益なコンテンツを無償で提供し続けていれば、自然とお客様に信頼されるようになります。最終的には、信頼こそが顧客を獲得し維持していく上で最大の武器となります。
カスタマージャーニーの初期ステージにおいては、見込み客が求めるテーマについて解説する有用なコンテンツを届けることが、コンテンツマーケティング戦略の成功に不可欠です。見込み客が貴社ブランドを信頼できる情報源と見なし始めるにつれて、関係が築かれ、育まれ、深まっていくのです。
こうして信頼関係が確かなものになった段階で、営業メッセージを織り込んでいきます。
このガイドではコンテンツ作成における5つのステージ、「計画」、「作成」、「デザイン」、「公開」、「測定」について説明していきます。コンテンツマーケティングを成功させるには、常にこの5つのステージを踏襲することが基本となります。これにより、戦略の策定から戦術の遂行に至るまでのあらゆる点で、コンテンツマーケティングの質が高まるでしょう。

ペルソナと購買ステージの設計

「計画」ステージ

コンテンツ作成は大きな投資です。制作を開始する前に、明確な設計図が描かれているようにしましょう。このステージでは、ペルソナと購買ステージを設計し、どのような種類のコンテンツが必要となるかを検討し、ブランドとしてのメッセージを定め、それを具現化するアイデアを複数出していきます。

バイヤーペルソナを理解する

バイヤーペルソナは、見込み客や顧客が抱えている課題や疑問、好んで目にするコンテンツの種類などを含めたオーディエンス像を明確にする上で役に立ちます。また、ペルソナ毎に明確な遷移条件を定義した購買ステージを設計することは、カスタマージャーニーの中で各コンテンツが果たすべき役割を明確にすることができるため、非常に重要です。
新しいコンテンツを企画するにあたってはブレインストーミングを行うことが一般的ですが、その際には、まずそれぞれのペルソナに応じた既存のアセットを洗い出し、その後に不足している部分を補足するアセットの制作検討します。併せてデマンドジェネレーションチームとも話し合いの機会を持ち、コンテンツの成果に関するデータを確認しましょう。
次に、購買ステージについて検討します。検討初期ステージの見込み客の興味を引くコンテンツは揃っていることが多いのではないかと思いますが、彼らを先のステージへと誘導できるコンテンツについてはどうでしょうか。それぞれのペルソナに対して、カスタマージャーニーの全てのステージに応じたコンテンツを用意することが理想的です。

バイヤーペルソナを作成する

バイヤーペルソナを作成することは、コンテンツ作成だけでなく全体のマーケティング施策に大きな価値をもたらします。ある程度の初期投資は必要になりますが、顧客ライフサイクル全体のことを考えればメリットの方が大きいでしょう。顧客についての理解を深め、リアルに実感できれば、それだけ適切なマーケティングを実施できるのです。
ターゲットとなる顧客がいくつかの属性に分類されるようであれば、その数だけのバイヤーペルソナを作成することを推奨します。理想的には4~6種類ほど作成した方が良いですが、顧客属性がそれほど多岐にわたらない場合は、それ以下でも構いません。

バイヤーペルソナの定義

バイヤーペルソナとは、架空の典型的な顧客像を具体的な人物に落とし込み、表現したものです。
バイヤーペルソナの調査と作成を通じ、見込み客のライフスタイルやビジネスバリュー、パーソナルバリューなどの理解が進むことで、彼らに対する最適なマーケティングの方法が見えてきます。さらに、バイヤーペルソナにより、オーディエンスが抱えている問題点、嗜好、目標などが明らかになり、魅力的なコンテンツの作成に活かすことができます。

インタビューと調査の実施

ペルソナを構築するには、まず、現時点の既存顧客や見込み客、そして営業チームとカスタマーサポートチームのメンバーを対象にインタビューを実施しましょう。それにより、現在のオーディエンスがどのようなタイプの人々であるかといった理解が進み、その理解を基にペルソナのグループ化をはじめることができます。また、独自のアンケートを送付し、調査を行うのもよいでしょう。各ペルソナの作成にあたっては、以下のトピックに注目します。
•バックグラウンド:年齢、性別、居住地など、ペルソナの基本情報
•仕事の詳細:ペルソナの役職や職歴、経験の程度など
•目標:ペルソナが取り組んでいる個人的な目標や業務上の目標
•課題:ペルソナにとっての問題点、不満、目標達成の阻害要因
•好ましいコンテンツの媒体:ペルソナが好むコンテンツの種類(テキスト、動画、画像など)
•情報源:ペルソナが、信頼できる情報を探す際に利用する情報源がどこか
•発言の引用:作成するペルソナにより現実味を加える、インタビューで得られた実際の発言
•反対意見:営業の提案プロセスにおいてペルソナから出てくるであろう反対意見
•購買プロセスでの役割:ペルソナが持つ購買の意思決定への影響力
•マーケティングメッセージ:作成したペルソナに最も直接的に響くメッセージ

ペルソナのストーリーを描く

必要な情報が収集できれば、そのデータからストーリーを描いていきましょう。バイヤーペルソナはあくまで架空の存在ではありますが、より現実味のあるものを作り上げていくことで、ペルソナの効果が高まります。このパートは大学の講義の課題のように思えるかもしれません。しかしながら、オーディエンスはデータの集まりではなく生身の人間であることを意識して、想像力を働かせながら進めてください。
その際、各ペルソナには名前と顔写真を記載することをお勧めします。これには、マーケティングチームがペルソナを生き生きとした存在に感じる効果があります。次に、収集した情報を織り込んで1つのストーリーにまとめます。このストーリーは、社内の様々なステークホルダーに対し、マーケティング対象にする人々のことを説明するものとなります。そのため、細かな描写を盛り込んで、印象深く人間味を感じさせるようにしましょう。

ペルソナに含めるべき情報

•業務担当領域
•日々の業務内容
•性格や特徴
•ペルソナが抱えている課題

購買ステージを定義する

ペルソナが完成したら、それぞれのペルソナのバイヤージャーニーを練り上げます。バイヤージャーニーとは、購買過程における見込み客の意思決定プロセスを定義し描き出すもので、これにより購買ステージごとに必要なコンテンツを判断できるようになります。
見込み客が好むコンテンツは、バイヤージャーニーのステージによって様々です。購買ステージを定義することで、見込み客が製品やサービスを検討する際にたどるプロセスを、より深く理解できるようになります。コンテンツは、特定のペルソナがその時点で到達しているステージに合わせたものとします。最適なコンテンツを自動的に配信するには、ターゲットとなるペルソナと購買ステージを各コンテンツにタグ付けしていきます。これらはコンテンツ管理システム(CMS)で定義します。
タグ付けは、すべてのペルソナに対して各ステージに対応したコンテンツがあるかどうかを評価するのに有用です。次いで、新たに作成が必要なコンテンツを決定するため、足りないものを分析します。

一定の検討期間を要する商材のバイヤージャーニーは、基本的には以下の3つのステージに分けられます。
初期ステージ:このステージの見込み客は、顧客になる可能性を秘めてはいるものの、まだ個別アプローチの対象になっているとは限りません。このステージの人々が求めているコンテンツは、楽しみながら情報を得られるものです。ここですべきことは、そのようなコンテンツの提供を通じて認知を獲得し、信頼を築くことです。
中期ステージ:このステージでは、見込み客がブランドを認知しており、製品やサービスについても積極的に調査しています。そのため、情報収集の過程でエンゲージメントを維持することを目的として、より製品に特化したコンテンツを提供しましょう。
後期ステージ:後期ステージの見込み客は、あと一押しで購買するところまで来ています。この段階のコンテンツは、製品やサービスについて具体的に訴求し、差別化要素を強調する必要があります。例えば、製品デモ、機能比較表、第三者機関レポートなどが該当します。

前ページでご紹介したものとは異なる購買ステージを持つ、別のバイヤージャーニーの例をご紹介します。

発見(Discovery):このステージの見込み客は、顧客になる可能性はあるものの、意思決定を下すために製品やサービスについて知りたいと思っています。知識を得られること、モチベーションを高められることを求めており、それを満たすことでブランドに対する信頼にもつながります。
エンゲージメント(Engagement):このステージでは、記憶に残る顧客体験を提供することで信頼を獲得していきます。信頼を得た後も、認知確立のための施策を継続して実施し、製品やサービスに関する追加の情報をアピールしていきます。
検討(Consideration):見込み客は、製品やサービスについてより詳しく情報を得ながら競合製品との違いを理解し、どのような基準で比較すればよいかを知る必要があると考えています。
支持(Advocacy):このステージの顧客は既に購入済みの方々であり、製品やサービスのメリットやメッセージを熟知しています。ここで行うべきことは、支持してくれている方々との良好な関係を保つために、インサイダープログラムやゲーミフィケーションのような創造的なコンテンツを考えることです。併せて、彼らの熱意を活用しながら、さらなる認知の獲得や興味を持つ見込み客を惹きつけるものも検討しましょう。

バイヤージャーニーは一度の購買で終わるわけではありません。マーケティングによるリードナーチャリング施策が成熟するにつれて、購買後の顧客コミュニケーションにも注力できる、より包括的なマーケティング戦略を立てましょう。

顧客のLTV(生涯価値)を最大化させるためには、既存顧客のエンゲージメントを目的とするコンテンツが必要になります。ここでは、3つのステージを追加し、コンテンツを計画します。
1.新規顧客:顧客になったばかりの方々には、設定手順を示す、よくある質問に回答する、コミュニティに迎え入れるなどのコンテンツで利用促進を促します。具体的には、FAQ、各種ガイド、チートシートなどの制作を検討してください。
2.継続顧客:製品を使いこなせるようになった顧客向けには、ベストプラクティスについてのウェビナー、お役立ち情報のブログ記事、詳細部分についてのガイドなど、成功を後押しするコンテンツを作成します。また、製品ラインナップの全体像を紹介し、クロスセルやアップセルの機会を創出するのも、このステージからです。
3.ロイヤル顧客:ロイヤル顧客は、既に、貴社ブランドに多額の投資を行っており、ブランドを支持しています。その思いに報いることに注力し、また、ブランドを気軽に宣伝してもらうこと、新規顧客を呼び込んでもらうことも重視しましょう。

ブランドボイスを構築する

複数のチャネル全体にわたって一貫した体験を提示することが重要です。そのためには、ブランドボイスを定義しなければなりません。
ブログ、webサイト、ソーシャルメディアなど、どのようなコンテンツを作成している場合でも、そこに記されている文章のスタイルによってブランドボイスが形成されていきます。Twitterでは遊び心のあるトーン、ホワイトペーパーでは専門的なトーンを用いる、というケースは起こり得るでしょう。どのようなブランドボイスであれ、鍵を握るのは一貫性です。使用するボイスは、ターゲットとするペルソナにも左右されます。
ブランドボイスを定義したら、その一貫性を全社的に維持することに努めましょう。ただし、異なるペルソナに応じた若干のバリエーションは許容されます。

ブランドボイスを「性格/ペルソナ」、「語調」、「言葉遣い」、「目的」という4つのカテゴリに分類しています。各カテゴリに含まれる属性の例を以下に示します。

性格/ペルソナ語調言葉遣い目的
•気さくな
•温かい
•意欲をかき立てる
•遊び心のある
•権威のある
•プロらしい
•個人対個人の
•謙虚な
•論理的な
•誠実な
•直接的な
•科学的な
•複雑な
•知識の豊富な
•内輪の
•まじめな
•明快な
•専門用語を多用した
•愉快な
•一風変わった
•エンゲージメント
•啓蒙
•情報伝達
•導入支援、活用支援
•楽しませる
•喜ばせる
•販売
•拡散

コンテンツの種類

コンテンツを企画する際に重要なのは、目的に合ったコンテンツの種類を決めることです。コンテンツマーケティングは様々な形式のアセットで構成され、どの形式を選択するかは、オーディエンスの嗜好、業界標準、帯域幅、予算など、数多くの要因に応じて判断します。
以下のような種類のコンテンツを検討してみましょう。
動画:ブランドの紹介や、製品デモ、お客様からいただいた質問への回答、カスタマーレビューの紹介、オーディエンスを楽しませる内容など、様々な目的で作ることができます。動画は、顧客を惹き付けると同時に関係を深めることができる、魅力的な手段です。プロ品質の動画を作成するには、社内に動画チームがない場合には時間とコストがかかりますが、創意工夫を凝らすことで、限られた予算でもブランドイメージに沿った動画を作成する方法は数多くあります。
インフォグラフィック:画像とテキストを使って、オーディエンスにとって関心のある複雑なテーマを分かりやすく提示できます。情報量が多くとも視覚的に魅力を伝えることができます。また、バックリンクを集める手段としても適しています。社内にデザインチームがない場合は、インフォグラフィックの作成をデザイン会社やデザイナーに外注することを検討しましょう。その際にはまず「エバーグリーン(evergreen)」コンテンツとして、何年にもわたって使えるものから企画することをお勧めします。
ワークシートとテンプレート:オーディエンスが実際に手を動かし、計画や戦略をまとめる役割を果たすコンテンツです。インタラクティブ性があり、実践的に役立つものなので、ブランド体験によい影響を与えることができます。見込み客のエンゲージメントに高い効果が見込まれるため、ワークシートとテンプレートは最も人気のあるコンテンツの1つです。プロがデザインすれば見栄えがよいものが作れますが、この種のコンテンツの多くは自分でもデザインできます。
ケーススタディ:いわゆる導入事例で、既存顧客の生の声を通じてストーリーを伝える、非常に説得力のあるコンテンツです。検討中の見込み客はケーススタディを読む可能性が高いため、ブランドの評価に良い影響を与える内容を意識することが重要です。すなわち、ツールや製品、サービスについてよりも、生み出された価値、成果、実績に重点を置くようにしましょう。なぜなら、うまくまとめられたケーススタディは、顧客が、競合他社ではなく貴社の製品やサービスを選ぶ意思決定要因となり得るからです。
ホワイトペーパーとレポート:オーディエンスが関心を寄せているトピックについて、重要でためになる情報を提供します。情報源となる独自調査が存在しない場合は、第三者の調査機関との提携や、既存レポートの使用権の購入を検討しましょう。
ブログ記事:ソートリーダーシップ、業界のインサイト、今後のイベントや告知などを、企業ブログで公開します。米国のアドビでは自社ブログを週に3~4回更新していますが、それとともにアドビのコミュニティに集まるマーケティング担当者、パートナー、顧客、業界リーダーなどとコミュニケーションをとりながら、コンテンツを絶えず作成し充実させています。
スライド資料:スライド資料を使って、視覚に訴えながら情報を提示することは、ストーリーを伝える方法として非常に優れています。テキストと画像を適切なバランスで配置して、視覚に訴える資料を作成しましょう。インフォグラフィックと同様に、よく練られたスライド資料はその後何年にもわたって使い続けることができ、時間をかけて作成する価値は十分にあります。
チートシート:チートシートは特定のトピックに関してのノウハウやベストプラクティスを短くまとめたものです。あるトピックについて顧客にすばやく簡単に知ってもらうことができます。ポイントがひと目でわかるよう簡潔にまとめ、基本的には、長さは数ページ以内に留めましょう。
eBook:顧客が関心を寄せるトピックを詳しく説明するにはeBookを使います。長さ、デザインのレベル、対象分野は様々ですが、通常は最初から最後まで1つのテーマに沿って記載されています。適度にデザイン性があり、教育的な内容で多くの情報が盛り込まれています。eBookを公開する場所、タイミング、頻度によりますが、ライターやデザイナーを雇用したり、社内で正式なプロジェクトチームを任命することも検討しましょう。

プレディクティブコンテンツで購買担当者のエンゲージメントを築く

これまでは、ジャーニーの適切なステージに適切なコンテンツを届けることは、時間をかけて手作業で行われていました。現在では、人工知能(AI)と機械学習を活用して関連性が高いコンテンツを自動的に配信でき、見込み客のエンゲージメントを獲得できます。
機械学習と予測分析を使用すると、web、モバイル、メールなど様々なチャネルにまたがって、各個人に最も関連するコンテンツを自動的に選択し配信されます。例えばAdobe Marketo Engageのようなテクノロジーを使えば、自社のwebサイトからコンテンツを検索して各ペルソナに届けることができます。
こういったテクノロジーがあれば、コンテンツへの接触状況と行動パターンを分析し、各見込み客に最も効果的なコンテンツの種類を学習して、バイヤージャーニーの進行を加速することができます。
マーケティング担当者はテクノロジーによる学習結果をもとにして、既存コンテンツの最適化や、顧客に響く新規コンテンツの作成を行うことができます。

編集カレンダーで計画と実行を効率化する

編集カレンダーを作成することは、今後公開するコンテンツの進捗の把握、調整、共有を行えるだけでなく、それらのコンテンツを活用したクロスチャネルプログラムの実施にも役立つ戦略的なツールとなります。編集カレンダーを利用すれば、コンテンツを最適なタイミングで公開するとともに、公開日に向けてチーム全体の足並みを揃えることもできます。
カレンダーは複雑なものである必要はありません。共有のExcelシートや専用のスケジューリングツールなどが使えますが、単なるホワイトボードでも構いません。
編集カレンダーには、以下の3つのメリットがあります。
•進捗の見える化とチームの連携
•責任範囲の明確化
•タスクの整理

コンテンツ計画を四半期ごとにテーマやグループを分け、戦略の実行へ集中しやすくするのもよいでしょう。続いて、テーマに沿ったコンテンツを作成します。
以下のようなテンプレートを使って年間のテーマを整理できます。

第1四半期第2四半期
•全体方針
•eBook
•インフォグラフィック
•スライド資料
•ブログ記事
•全体方針
•eBook
•インフォグラフィック
•スライド資料
•ブログ記事
第3四半期第4四半期
•全体方針
•eBook
•インフォグラフィック
•スライド資料
•ブログ記事
•全体方針
•eBook
•インフォグラフィック
•スライド資料
•ブログ記事

チームの編成とコンテンツの作成

「制作」ステージ

コンテンツの企画という大変な作業を終えたら、いよいよ実行に移していきましょう。ここでは、ライター、エディター、監修する専門家などのチームを編成し、自信を持って公開できるコンテンツを作成し、そのコンテンツを最大限活用するための方法を紹介します。

コンテンツチームの編成

制作開始前には、コンテンツの統括、作成、キュレーション、配信を行う担当者を決める必要があります。
理想的には、コンテンツマーケティングの専任担当者を1人以上割り当てます。この業務にまつわる戦略策定、プロジェクト管理、クリエイティブなスキルなどは、優にフルタイムの業務に相当します。専任の担当者を設けることで、一貫性が保たれ、コンテンツのスケジュール管理などの責任も明確になります。
コンテンツチームの最も一般的な役割は以下になりますが、1人が複数を兼任することも可能です。
•最高コンテンツ責任者
•コンテンツストラテジスト
•マネージングエディター
•ライター(社内、外注)
•デザイナー
•監修を担当する専門家
•パートナー、顧客、ソートリーダー

計画用のドキュメントを用意する

コンテンツを書き始める前に、アセットごとにコンテンツ戦略ドキュメントを作成することをお勧めします。これによって、コンテンツをより幅広いコンテキストの中に位置付け、迷いなく執筆を進めることができ、同僚にとってもコンテンツが利用しやすくなります。
アドビでは規定のコンテンツ企画書を利用しており、通常は以下の情報で構成されています。
•アセット名
•コンテンツのテーマ
•アセットの種類(eBook、インフォグラフィックなど)
•監修する専門家の名前
•その他のステークホルダーの名前
•想定するペルソナ/オーディエンス
•業界/対象製品
•アセット作成の理由
•関連コンテンツ
•目標(コンバージョン、ダウンロード、営業支援)
•成功の測定指標
•アセットの使用先
•コンテンツ作成の各ステージ(アウトライン作成、執筆、編集、デザイン)の責任者
•コンテンツ承認者(CEO、VP、法務部門、言及されているパートナーや顧客)
•章立ての方向性
•アウトライン
•推奨されるビジュアル
•活用プラン
•締め切り

アウトラインに沿って構成する

アウトラインがあれば、思考プロセスを乱さずに、メッセージを軌道に沿って伝えることができます。
アウトラインは、ライターと監修する専門家が協力して作成します。 まずコンセプトに着手します。これは一般的な論文における主題文と同様に、自分が理解してもらおうとしている主要メッセージです。コンセプトが明確でない場合や1~2文で簡単に要約できない場合、アイデア出しからやり直すべきです。
大幅な変更を加えるのであれば、このタイミングが適切です。実際に執筆を始めたら、大幅な修正はより難しくなっていきます。執筆に着手する前に、必ず、監修する専門家が入念にアウトラインに目を通していること、プロジェクトが最高レベルの承認者の承認を得ていることを確認してください。
完成後にアセットを活用するチームの意見を聞くのも、このタイミングが適しています。ちょっとした改善点をいくつか提案してもらうだけで、コンテンツの訴求力が大幅に強まることが多く、これにより後続の時間とリソースも節約されます。

プロのように編集する

編集を軋轢が生まれるようなプロセスにしてはいけません。最高のROIを生む最高品質のコンテンツを作成したいという目標は、ライターもエディターも同じです。
同僚に大幅な変更を提案されたりお気に入りのフレーズをリライトされたりしても、個人的な攻撃とは思わないようにしましょう。また、自分が編集を担当する場合はできる限り建設的な態度で臨んでください。必要のない批判は避け、なるべく代案を提示しましょう。「これは嫌だ」や「よくわからない」などのコメントよりも、「こんなふうにしてはどうでしょう」や「このセクションにおけるこれらの用語の意味をはっきりさせましょう」のほうが、はるかにうまくいきます。

スタイルガイド

言語は絶え間なく変化しています。スペルや句読点の打ち方などは複数の正解があるかもしれませんが、重要なのはそれらが一貫していることです。
このため、自社のスタイルガイドが重要になります。スタイルガイドがあれば、ブログ記事、ツイート、webサイトのコピー、メールなど何を編集する場合でも、ブランドの一貫性を保つことができます。
スタイルガイドは、編集作業に役立つだけではありません。一度作成すれば、新たなブログ担当者、外注ライター、デザイナーなど、貴社のコンテンツの執筆に関わる人に渡しておくだけで、一貫性を保つことができます。

編集の種類

編集プロセスには複数のステップがあり、それには確固たる理由があります。まず、一度にすべてを直そうとするのは、大変な労力を要するだけでなく非生産的です。

発展的編集

この段階では、全体像に注目します。アウトラインが守られているか、メッセージが伝わっているか、ブランドボイスに則って記述されているか、作成したコンテンツは本当に価値があるものか、といったことです。
また、文章の流れにも注目します。先ほど作ったアウトラインが大いに役立つのもこの段階です。あるアイデアから次のアイデアへと、円滑に流れているでしょうか。各セクションが、直前のセクションと自然につながり、最初に意図したとおりに疑問を解消できているでしょうか。

コピーエディット

この段階では、コンテンツそのものは固まっています。アイデアは明確かつ明快で、構成の流れもスムーズであり、一つひとつの情報がビジネス上の目標に沿っていることも確認済みです。ここから、細かな点に踏み込みます。

以下の点を確認します。
•文法と構造:スペル、大文字と小文字の使い分け、句読点、対句法、用語の選択
•スタイルとボイス:ブランドのガイドライン、語の用法や慣例、製品名、定型文の遵守
ここで強調しておきたいのは、コンテンツのコピーエディットは、当初のライター以外の人に担当させるべきということです。

コンテンツのキュレーション

コンテンツ戦略の大半は自社で新たに作成したコンテンツで構成すべきですが、伝えたいアイデアを具体的に提示できるキュレーションコンテンツも、価値あるプラス要素となります。使用するのが他者のコンテンツであっても、読者が目にしたことがないような、興味深く関連の深いコンテンツを組み合わせることで、新たな付加価値が生まれます。キュレーションコンテンツとしては「ベスト○○集」や「○○まとめ」、さらにはコンテンツの要約が考えられます。

デザインに磨きをかける

「デザイン」ステージ

コンテンツマーケティングでは、コンテンツそのものと同じくらい、ビジュアルの訴求が重要です。いくら内容が優れていても、読みたい、視聴したい、と思わせられなければ、それまでの苦労が水の泡です。このセクションでは、最初のコンセプト作りから最終校正に至るデザインプロセスについて説明します。

オーディエンスを想定してデザインする

デザインは、アセットに応じて単にWordドキュメントをPDFに変換することから、グラフィック、デザイン要素、イラストなどでコンテンツに独自に手を加えることまで多岐にわたります。
デザインについての検討は、コンテンツのアイデア出しやオーディエンスの定義と同じタイミングで着手するのが理想的です。デザインの方向性やコンテンツの利用計画には、ターゲットオーディエンスのペルソナや購買ステージが大いに影響します。

デザイナーとの協働

アドビでは、社内デザイナーがデザインを担当することもあれば、アドビのビジュアルスタイルを熟知した、過去の実績が豊富なデザイン会社の協力を仰ぐこともあります。社外のデザイナーを活用するメリットは、社内チームのニーズや負荷に応じて規模の大小を調整できることです。

ここでは、特に社外の代理店を利用する場合の、コンテンツデザインの推奨プロセスをご紹介します。

  1. タスクの概要を定義する
    まずはコンテンツ戦略についての文書と編集済みのコンテンツ原稿をデザイナーに共有します。また、既にデザインのアイデアがある場合は、できる限り明確に記載します。デザインの経験が少なければ、この段階で具体的に指示するのは難しいことが多いでしょう。その場合にも、参考になるようなデザイン例を含めておくことで、認識のずれを極力減らすことができます。併せて、グラフィックの新規制作が必要か、写真を入れてほしいか、なども指示してください。それを受け、デザイナーは検討用のスタイル案をいくつか提示してくれることでしょう。多くの場合、これらはデザイナーがインターネットなどで調べて見つけた例で構成されたものとなります。
  2. 初期コンセプトを作成する
    提供した原稿デザインアイデアをベースにして、デザイナーがアセットの一部を作成します。アドビでは、デザイナーに1つのコンセプトに対して少なくとも2通りのデザインを提示するよう依頼しています。デザインをごく一部(通常は、eBook、レポート、スライド資料の表紙および内部の1ページ)だけ依頼するのはそのためです。スタイル案の時と同様に、フィードバックはできる限り具体的に行います。良い点と悪い点を伝え、最終的な提案を行ってもらいます。
  3. 目標に到達するまで作業を繰り返す
    デザインの方向性、スタイル、コンセプトについて合意できれば、デザイナーがデザイン対象アセットの完全版を作成、提示し、貴社でそのファイルに編集を加えていきます。フィードバックの際は、デザイン用ファイルや画像ファイル(JPEG、PNGなど)にコメントを追加していくよりも、PDFの注釈機能を使ってコメントを残していく方がスムーズです。
コンテンツのワークフローを完成させる
01
戦略を練る。
02
監修の専門家と相談
する、または調査を
実施する。
03
企画書を作成し、
承認を得る。
04
アウトラインを
作成する。
05
たたき台となる
初稿を執筆する。
06
初稿のレビューを
実施する(主に構成、
正確さに着目)。
07
第2 稿を執筆する。
08
第2 稿のレビューを
実施する(主に一貫
性、文章校正、
スタイルに着目)。
09
第3 稿を執筆する。
10
ステークホルダー
から原稿の承認を
得る。
11
コピーエディットを
実施する(スペル、
文法)。
12
原稿をデザイナーに
送る。
13
デザインの初稿を
作成する。
14
1 回目の校正を実施す
る(ビジュアルテー
マ、画像、一貫性)。
15
デザイン第2 稿を作
成する。
16
2 回目の校正を実施
する(最終コピー
エディット)。
17
ステークホルダー
から最終承認を得る。
18
活用プランに則って
公開、プロモーション
を展開する。

適切なオーディエンスに届ける

「公開とプロモーション」ステージ

作成したコンテンツは、人々の目に触れることではじめてブランドリーチに貢献します。つまり、コンテンツ制作の目的は、コンテンツから得られるROIを最大化することにあります。その実現のためには、適切なオーディエンスに届けなければなりません。コンテンツをどこに公開しどのようにプロモーションするか、入念に検討してください。ここでは、コンテンツリポジトリの必要性と、コンテンツが目に留まるような拡散戦略の作成方法を見ていきます。

コンテンツリポジトリを作成する

コンテンツの公開準備が整ったら、まずコンテンツの格納場所を定める必要があります。多くの企業はwebサイトにコンテンツを格納しています。webサイトであれば、オーディエンスがアクセスもダウンロードも容易です。しかしながら、eBook、ガイド、ウェビナー、スライド資料、インフォグラフィック、アナリストレポートなどが増えていくと、あらゆる種類のコンテンツがwebサイトのあちこちに散らばってしまうことになりかねません。
そこで必要になるのがリポジトリとも呼ばれるコンテンツリソースセンターです。コンテンツリソースセンターは、コンテンツの整理と公開を行えるwebサイトのセクションで、webサイト訪問者と社内チームそれぞれが必要なコンテンツを容易に見つけ、共有できるようになります。
コンテンツリソースセンターは、webサイトの機能を使って直接構築することも、Uberflip、NewsCred、Kapostなどの専用のコンテンツ管理システムを利用することもできます。重要なのは、作成するコンテンツを容易にアップロード、整理、アクセス、共有できることです。

フォーム入力を必須にするか

webサイト訪問者をコンテンツのダウンロードに誘導することは、興味関心度合いを高める上で優れた方法です。しかし、コンテンツをゲート付きにするかどうか、すなわち訪問者がコンテンツにアクセスするためにフォーム入力を求めるかどうかは、見解が分かれるところです。
考えられる方法としては、すべてのアセットをゲート付きにする、製品主体のアセットのみゲート付きにする、ライブラリ全体にアクセスするためにフォーム入力を1回だけ求めるなどがあります。コンテンツにアクセスできるようにする方法は、コンテンツマーケティングの戦略と全体の目標に沿ったものにする必要があります。

ゲート付きにする理由

フォームへの入力を要求することで、相手の情報を入手し、メールなどで見込み客との直接のエンゲージメントを図ることができます。特定のコンテンツをダウンロードした訪問者が製品に関心があると確信できる場合には、見込み客情報を取得して関係構築に着手することは理にかなっています。

ゲート付きにしない理由

検討初期ステージ向けのコンテンツを制作している場合は、ブランドの認知と信頼を築き、オーディエンスに対するマーケティングの足場を築くことが目標になります。初期ステージの啓蒙型コンテンツに対する関心は、必ずしも貴社製品に対する関心を示すものではありません。そのため、そのような訪問者の情報を取得して関係構築を始めようとするのは、意味があるとは限りません。

検討初期ステージ
情報収集
検討中期ステージ
解決策の模索
検討後期ステージ
評価
ブランド認知と興味関心を
高めるような、ソートリーダーシップや楽しめるコンテンツ
解決策を求める見込み客が貴社の製品やサービスを
目にとめるようなツール
解決策を求める見込み客が貴社の製品やサービスを
目にとめるようなツール
ブログ、eBook、調査データ、動画、キュレーションリスト、インフォ
グラフィック、ウェビナー、完全
ガイド
購入ガイド、提案依頼書(RFP)テンプレート、ROI計算ツール、アナリストレポート購入ガイド、提案依頼書(RFP)テンプレート、ROI計算ツール、アナリストレポート
フォーム入力:ほとんどの場合、不要フォーム入力:必要フォーム入力:ほとんどの場合、不要
付加価値の高い啓蒙型コンテンツはゲート付きにする

プロモーション戦略を策定する

プロモーション戦略はオーディエンスやニーズによって異なりますが、最善のアプローチ手法は幅広くリーチできるものです。
コンテンツに目を留めてもらうために、インバウンドとアウトバウンド両方の戦略を活用すべきです。インバウンド戦略には、自然検索流入(SEO)、検索連動型広告(PPC)、リソースセンターへの導線の改善などがあり、アウトバウンド戦略には、ディスプレイ広告、SNS広告、3rdパーティメディアでのリード保証型広告(コンテンツシンジケーション)などがあります。
より幅広いリーチを獲得するには、オウンド、ペイド、アーンドのチャネルを組み合わせて戦略に採り入れます。

オウンドペイドアーンド
•ソーシャルメディア
•メール
•ブログ
•SNS広告
•リード保証型広告(コンテンツシンジ
ケーション)
•有料メールプログラム
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コンテンツのテストと効果測定

「測定」ステージ

コンテンツマーケティングの効果測定は一般的に難しいと言われており、それゆえ施策への賛同や支援を得るのが難しい場合があります。だからといって、効果の推測だけで進めてよいわけではありません。コンテンツをテストおよび測定する方法は数多くあります。ここでは、初期、中期、後期の各ステージにおけるコンテンツ測定方法を紹介します。

コンテンツのROIの謎を解く

多くのマーケティング担当者が、自社コンテンツのROIを証明することに苦戦しています。ROIを後追いで算出するのではなく、最初の段階から、ROIの測定方法を明確にしておきましょう。
コンテンツの効果測定を行うにあたっては、以下の3つのステップを踏みましょう。
•コンテンツの目標を定める。コンテンツを使用するのは、ブランド認知を構築するためでしょうか、それとも収益向上のためでしょうか。当初の期待を満たしているかどうかを把握するには、最初から目標と推定ROIを確立しておきます。
•測定する指標を決める。測定に用いるのはリーチ、エンゲージメント、webサイト滞在時間、PR掲載数、収益など、どの指標でしょうか。測定するものが多すぎる場合もあるため、後々の意思決定に役立つ測定指標やデータに絞り込んでください。
•主なステークホルダーの足並みを揃える。ステークホルダーにとって最も関心の高い指標を測定してください。まずは検討初期ステージの指標を中心に基本的な効果測定を行い、次いでそれらの情報をパイプラインや収益に結びつけて貢献度を測ることをお勧めします。

様々なコンテンツの種類に応じた測定指標

コンテンツはファネルのステージごとに、異なる方法で測定される必要があります。つまり、目標は各ステージで異なるということです。ここでは、初期、中期、後期各ステージのコンテンツに対応する基本的な指標をご紹介します。

初期ステージの測定指標

初期ステージの指標は収益に直接結びついているわけではありません。このステージのコンテンツの目的は、ブランド認知を獲得し、ブランドへの好意を抱かせ、オーディエンスを啓蒙し、楽しませ、エンゲージメントを築くことです。こうしたコンテンツがポジティブな注目を集めているかどうかは、シェア、ダウンロード、ビューで判断できます。
初期ステージでは以下のような測定指標を追跡します。
•ブログやwebサイトのトラフィック(PV数、セッション数、ユーザー数)
•バウンス率(直帰率)
•コンテンツの閲覧数とダウンロード数
•コンテンツへのリンク
•ソーシャルメディアのシェアとリポスト(リツイート)
•ソーシャルメディアのエンゲージメント(コメント、いいね、メンション、お気に入りなど)
•ソーシャルメディアのフォロワー/ブログの購読者

中期ステージと後期ステージの測定指標

パイプライン(商談金額)、商談数、収益金額などを、見込み客が接触したコンテンツに割り振ることで、コンテンツの貢献度についてのインサイトが得られます。
中期ステージのアセットでは、コンテンツがどのように新たな興味関心を引き出せているか測定することが重要です。また、中期ステージと後期ステージのいずれにおいても、コンテンツが収益にどのような影響を与えているかを把握するようにします。
Adobe Marketo EngageやAdobe Analyticsのレポーティング機能を使うことで、顧客がコンバージョンに至る過程を確認できます。クリックしたデジタル広告、参加したウェビナー、受信したメール、そしてもちろんダウンロードや閲覧を行ったコンテンツなどを計測できます。優れたレポーティングソリューションがあれば、あるコンテンツをきっかけに生まれた商談の数や、コンテンツを閲覧またはダウンロードした見込み客がもたらした収益などを明らかにします。
後期ステージのコンテンツ(お客様の声、データシート、機能ガイド、デモなど)では、自社の営業チームが実際にコンテンツを活用しているかを知りたいはずです。有益なコンテンツは、営業担当者の提案活動を支援するものといえます。そのため、営業担当者と連携し、後期ステージにいる見込み客にコンテンツが役立つようにしてください。営業担当者と定期的にミーティングを行い、コンテンツについての意見やアドバイスをもらったり、作成済みコンテンツに関しても活用に向けたトレーニングを行ってみましょう。
中期ステージと後期ステージでは以下のような指標を追跡します。
•リード獲得(中期ステージのみ)
•パイプラインや商談へのアトリビューション
•収益へのアトリビューション
•営業担当者の提案活動における活用度合い

マーケティングアトリビューション

マーケティングアトリビューションは、商談成約や収益創出に貢献したマーケティングプログラムやコンテンツアセットについてのインサイトを提供します。一般的な行動ベースの測定指標では、メール開封率、クリックスルー率、コンテンツダウンロード、イベント参加などの顧客のアクティビティをトラッキングします。
マーケティングアトリビューションではさらに一歩踏み込み、収益に対する貢献度を評価します。ファネル全体を俯瞰して測定することで、マーケティングコンテンツの効率化や顧客エンゲージメントの質の向上が見込めます。アトリビューション分析を基に、より多くの収益を生み出すプログラムやコンテンツに予算を重点的に配分することで、マーケティング担当者はより魅力的なコンテンツを作成したり、オーディエンスのターゲティングを行ったりすることができ、取り組みの精度を高められます。

シングルタッチアトリビューション

収益創出のすべてのクレジットを1つのマーケティングタッチに割り当てるアトリビューションモデルです。クレジットは、ファーストタッチまたは商談化する直前のタッチ(ラストタッチ)に割り当てられます。このモデルは最も簡単に導入できますが、ファネル中間部でのマーケティング活動が低く見積もられる傾向があります。

加重マルチタッチアトリビューション

バイヤージャーニーのストーリーを最も正確かつ完全に表すモデルです。クレジットをあらかじめ定義された割合で複数のマーケティングタッチに割り当てるモデルです。アトリビューションの全体像を把握するためには、営業チームとマーケティングチームの連携が必要になります。

オムニチャネルアトリビューション

オムニチャネルアトリビューションにより、マーケティング担当者はキーワード検索からイベントまで、顧客のあらゆる行動のインパクトを把握できます。マーケティングアトリビューションと顧客関係管理(CRM)の統合によって、この発展的なアトリビューションモデルはオンラインとオフライン両方のタッチポイント追跡とクレジット付与を可能にします。

アカウントベースドアトリビューション

営業とマーケティングにおける取り組みの効率を高めるため、ABM(アカウントベースドマーケティング)を用いて、高い収益を見込める企業群にターゲットを絞っている企業があります。これを実現するには、様々なペルソナや役職に対してのマーケティングタッチにクレジットを付与しつつ、それらを企業単位で集約できるがソリューションが必要になります。
アドビでは、マルチタッチアトリビューションを使用して、自社コンテンツが成功しているかどうかを追跡しています。ある購買担当者とアドビのマーケティングチームとの最初の関わりがコンテンツのダウンロードであり、その後商談に至った場合、そのコンテンツが、この商談のファーストタッチクレジットを獲得します。
しかしその後のプロセスのどのステージにおいても、コンテンツが商談に影響を与える可能性はあるため、アドビではマルチタッチの影響も追跡しています。
購買プロセスのいずれかの時点でコンテンツをダウンロードした後、購買担当者が商談に至った場合、その商談に関連付けられたコンタクトにプラスの影響を与えていれば、そのコンテンツはクレジットを獲得します。(ヒント:これを適切に行うには、アカウントにタッチするプログラムにどのコンテンツアセットが関連するかというタグ付けが必要です。)

おわりに:コンテンツマーケティングの核心に迫る

情報が溢れ返る今日の市場において、見込み客の注目を集めるためには、コンテンツマーケティングをマスターすることが「できれば良い」ではなく、もはや「必須」といえます。
効果的なコンテンツマーケティング戦略があれば、購買プロセスの初期段階でブランドに対する潜在顧客のエンゲージメントを築き、見込み客が貴社ブランドとともにライフサイクルを歩む中で、時間とともに関係を深めることができます。
まずは、オーディエンスの実像を知り、バイヤージャーニーの全てのステージに対応した様々なコンテンツを計画しましょう。次に、コンテンツを活用し、貴社ブランドについて一貫性のある継続的なストーリーを伝えましょう。また、オーディエンスが好むチャネルでコンテンツを提供しましょう。そして明確な目標の設定と成果測定のしくみを、あらゆるコンテンツアセットに設定しましょう。その際、効率化やコンテンツの質を疎かにしてはなりません。
コンテンツマーケティングの核となるのは、いかに顧客に対して価値を提供するか、ということです。売り込むのではなく、役に立つ存在であることを示すのです。楽しく、ためになり、意欲をかき立て、共有したいと思わせるような価値あるコンテンツで、オーディエンスのエンゲージメントを獲得しましょう。